후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
ただ昼だけに周囲は暗いながらも明るいので、立ちどまった時の心持はこの間とはまるで趣が違っていた。敬太郎は後の方に高く黒ずんでいる目白台の森と、右手の奥に朦朧と重なり合った水稲荷の木立を見て坂を上った。それから同じ番地の家の何軒でもある矢来の中をぐるぐる歩いた。始めのうちは小さい横町を右へ折れたり左へ曲ったり、濡れた枳殻の垣を覗いたり、古い椿の生い被さっている墓地らしい構の前を通ったりしたが、松本の家は容易に見当らなかった。しまいに尋ねあぐんで、ある横町の角にある車屋を見つけて、そこの若い者に聞いたら、何でもない事のようにすぐ教えてくれた。
松本の家はこの車屋の筋向うを這入った突き当りの、竹垣に囲われた綺麗な住居であった。門を潜ると子供が太鼓を鳴らしている音が聞こえた。玄関へかかって案内を頼んでもその太鼓の音は毫もやまなかった。その代り四辺は森閑として人の住んでいる臭さえしなかった。雨に鎖された家の奥から現われた十六七の下女は、手を突いて紹介状を受取ったなり無言のまま引っ込んだが、しばらくしてからまた出て来て、「はなはだ勝手を申し上げてすみませんでございますが、雨の降らない日においでを願えますまいか」