후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
「さあ御乗り」と坊主頭の船頭が云ったので、六人は順序なくごたごたに船縁から這い上った。偶然の結果千代子と僕は後のものに押されて、仕切りの付いた舳の方に二人膝を突き合せて坐った。叔父は一番先に、胴の間というのか、真中の広い所に、家長らしく胡坐をかいてしまった。そうして高木をその日の客として取り扱うつもりか、さあどうぞと案内したので、彼は否応なしに叔父の傍に座を占めた。百代子と吾一は彼らの次の間と云ったような仕切の中に船頭といっしょに這入った。
「どうですこっちが空いてますからいらっしゃいませんか」と高木はすぐ後の百代子を顧みた。百代子はありがとうといったきり席を移さなかった。僕は始めから千代子と一つ薄縁の上に坐るのを快く思わなかった。僕の高木に対して嫉妬を起した事はすでに明かに自白しておいた。その嫉妬は程度において昨日も今日も同じだったかも知れないが、それと共に競争心はいまだかつて微塵も僕の胸に萌さなかったのである。僕も男だからこれから先いつどんな女を的に劇烈な恋に陥らないとも限らない。しかし僕は断言する。もしその恋と同じ度合の劇烈な競争をあえてしなければ思う人が手に入らないなら、僕はどんな苦痛と犠牲を忍んでも、超然と手を懐ろにして恋人を見棄ててしまうつもりでいる。