후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
屋根は確かあったように覚えます。その軒から画の具で染めた提灯がいくつもぶら下がっていました。薄い光の奥には無論人が坐っているようでした。三味線の音も聞こえました。けれども惣体がいかにも落ちついて、滑るように楽しんで僕の前を流れて行きました。僕は静かにその影を見送って、御祖父さんの若い時分の話というのを思い出しました。叔父さんは固より御存じでしょう、御祖父さんが昔の通人のした月見の舟遊を実際にやった話を。僕は母から二三度聞かされた事があります。屋根船を綾瀬川まで漕ぎ上せて、静かな月と静かな波の映り合う真中に立って、用意してある銀扇を開いたまま、夜の光の遠くへ投げるのだと云うじゃありませんか。扇の要がぐるぐる廻って、地紙に塗った銀泥をきらきらさせながら水に落ちる景色は定めてみごとだろうと思います。それもただの一本ならですが、船のものがそうがかりで、ひらひらする光を投げ競う光景は想像しても凄艶です。御祖父さんは銅壺の中に酒をいっぱい入れて、その酒で徳利の燗をした後をことごとく棄てさしたほどの豪奢な人だと云うから、銀扇の百本ぐらい一度に水に流しても平気なのでしょう。