후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
鎌首は下駄箱の方を向いていた。敬太郎はそれを横に見たなり自分の室に上ったが、やがて机の前に坐って、森本にやる手紙を書き始めた。まずこの間向うから来た音信の礼を述べた上、なぜ早く返事を出さなかったかという弁解を二三行でもいいからつけ加えたいと思ったが、それを明らさまに打ち開けては、君のような漂浪者を知己に有つ僕の不名誉を考えると、書信の往復などはする気になれなかったからだとでも書くよりほかに仕方がないので、そこは例の奔走に取り紛れと簡単な一句でごまかしておいた。次に彼が大連で好都合な職業にありついた祝いの言葉をちょっと入れて、その後へだんだん東京も寒くなる時節柄、満洲の霜や風はさぞ凌ぎ悪いだろう。ことにあなたの身体ではひどく応えるに違ないから、是非用心して病気に罹らないようになさいと優しい文句を数行綴った。敬太郎から云うと、実にここが手紙を出す主意なのだから、なるべく自分の同情が先方へ徹するように旨くかつ長く、そうして誰が見ても実意の籠っているように書きたかったのだけれども、読み直して見ると、やっぱり普通の人が普通時候の挨拶に述べる用語以外に、何の新らしいところもないので、彼は少し失望した。