후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
十二時が鳴り出したら、大きな声を出して合図をしてくれ、すると御父さんがあの乾に当る梅の根っこを掘り始めるからと云いつけた。敬太郎は子供心にまた例の家相だと思って、時計がちんと鳴り出すや否や命令通り、十二時ですようと大きな声で叫んだ。それで、その場は無事に済んだが、あれほど正確に鍬を下ろすつもりなら、肝心の時計が狂っていないようにあらかじめ直しておかなくてはならないはずだのにと敬太郎は父の迂闊をおかしく思った。学校の時計と自分の家のとはその時二十分近く違っていたからである。ところがその後摘草に行った帰りに、馬に蹴られて土堤から下へ転がり落ちた事がある。不思議に怪我も何もしなかったのを、御祖母さんが大層喜んで、全く御地蔵様が御前の身代りに立って下さった御蔭だこれ御覧と云って、馬の繋いであった傍にある石地蔵の前に連れて行くと、石の首がぽくりと欠けて、涎掛だけが残っていた。敬太郎の頭にはその時から怪しい色をした雲が少し流れ込んだ。その雲が身体の具合や四辺の事情で、濃くなったり薄くなったりする変化はあるが、成長した今日に至るまで、いまだに抜け切らずにいた事だけはたしかである。