후리가나로 읽는 일본 고전
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 探偵夜話(たんていやわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 140,363자 · 277화면
その晩は木戸止めという大入りであった。
初日が予想以上の大成功であったので、一座の者もみんな喜んで宿へ帰ると、その夜なかから真打の富子は俄かに熱が出て苦しんだ。みんなも心配してすぐに医師を呼んでもらったが、医師にもその病気が確かには判らなかった。夜があける頃には少し熱がさがったが、それと同時に富子の顔には一種の発疹が一面にあらわれた。それは赤と紫とをまぜたような気味の悪い色の腫物らしくも見えた。
富子は鏡をみて泣き出した。一座の者もおどろいた。義太夫語りである以上、のどに別条さえなければ差し支えはないようなものであるが、容貌が一つの売物になっているだけに、これは富子に取って大いなる打撃であった。おいおいには癒るとしても、差しあたり今夜の興行に困った。気分が悪いばかりでなく、こんなお化けのようなみにくい顔を諸人の前にさらすのは死んでもいやだと、富子は泣いて狂った。その発疹はひどくかゆいので、みんなが止めるのも肯かないで、物狂わしいように自分の顔を掻きむしると、顔のところどころにはなまなましい血がにじみ出した。そばにいる者は唯はらはらして、そのむごたらしい怖ろしい顔を眺めているばかりであった。