후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
ひょっとすると神戸の港も見納めだ。そう思って出て来た国の方へもう一度足を向けようとすることは、いかにもおめおめと帰って行くような気を起させる。けれども戦時以来旅の方法も尽きて来て、この上の滞在は人に心配を掛けるばかりであったし、国の方に残して置いて来た子供等のこともひどく心に掛った。それに抑制と忍耐との三年近い苦行(?)をまがりなりにも守りつづけて来たことは多少なりとも彼の旅の心を軽くした。彼は出獄の日を待受ける囚人のようにして、もう一度国の方に自分の子供等を見得るの日を待受けた。そろそろ遠い旅支度をも心掛けねば成らなかった。鞄に入れて国から持って来た和服の中には、部屋衣としてよく取出して着た羽織や着物がある。その中には、亡くなってからもう何年になるかと思われるほどの妻の園子の形見として残った一枚の下着もある。その下着の紺絹のついた裏なぞはすっかり擦切れてしまった。巴里に滞在中、東京の元園町の友人の家からわざわざ送り届けてくれた褞袍は随分役に立って、長い冬の夜なぞは洋服の上にそれを重ね寛濶な和服の着心地を楽みながら机に対ったものであったが、その丈夫な褞袍ですら裾から白い綿が見えるほどに成った。