후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
僕は警察の奥深くへ連れこまれた。
(これは後で聞いた話だが、会場の中の十数名の女連が先頭になって、ただ日本の同志だというだけで名も何にも分らない僕を奪い返しに来たのだそうだ。そして警察の前で大格闘が始まって、女連はさんざん蹴られたり打たれたりして、その結果百人ばかりの労働者が拘引されたのだそうだ。警察の中ででもなぐったり蹴ったり、怒鳴りわめいたりする声が聞えた。)
僕は国籍も名も何にも言わなかった。旅券も身元証明書も、そんな書類は何にも持っていないと言いはった。その他の取調べに対してはほとんど何にも答えなかった。
が、やがてそこへコロメルがはいって来た。僕を貰いに来たのだ。そして僕に旅券通りの名を言うようにと勧めて行った。そのあとへまた、司会者の男が二、三名の連れと一緒にやって来た。そしてやはりまた同じようなことを勧めた。要するに何でもないことなんだから、名さえ言えば帰されると言うのだ。
僕はちょっとのすきを窺って、ポケットの中の手帳を司会者の手に握らした。それは一度警官の手に取りあげられたんだが、司会者等のはいって来たどさくさまぎれにまた取り返して置いたのだった。