일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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にほんだっしゅつき

日本脱出記

大杉 栄

大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면

아오조라 문고

が、また取調べが始まった時、一人の私服がその手帳のないのに気がついた。そして僕を責めた。僕は知らないと頑ばった。すると、もう一人の私服が、それじゃきっとさっきのムッシュ何とか(司会者の名だ)に渡したんだろうから、行って取って来ようと言いだした。

「なあに、もう持っているもんか。誰かほかの人間に渡しちゃったよ。」

最初の私服がそう言ってあきらめているらしいのに、もう一人の奴は「でも」とか何とか言って出て行った。そしてやがてそれを本当に持って帰って来た。最初の私服は大喜びでそのページをめくり始めた。

それを一枚一枚よく調べて行けば、どこかに僕の偽名が出て来るのだ。少なくとも、何かの際の覚えにと思って書きつけて置いた、カルト・ディダンティテの中の出たらめ、たとえば僕の両親の名や年齢なぞが出て来るのだ。それでなくとも、それからそれへの手づるはいくらでも出て来よう。僕は警察へ引っぱりこまれるとすぐ、水を飲ましてくれと言ってうんと飲んだ上に、さらに小便が出ると言って便所へ行って、まず第一にそれを破り棄てようと思ったのだった。が、その中にはいっている名刺や紙きれを破っている間に巡査に来られて、それを果すことができなかった。