후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「――だが、瘠せたねえ」
何を思うのでありましょうか、手を黒繻子の間に入れて、男の寝顔をしみじみとながめている。
あれは十一月の頃でした。
聖天の丘から駕にのせて、相良さんをここへ連れて来てからもう二月ほどになる。わずかな間に、あんな凜々しい侍も病には勝てないで、こうも瘠せ細るものであろうか――とお粂が今更のような考えごと。
その考えごとに囚われるには、お粂の胸の中だけに、かなり深刻な魂胆が遣り繰りされています。
と、いうのは、
もともと金吾があの時の不覚は、日本左衛門の当身を脾腹にうけたのみで、正気がつけば何も病床に親しむほどのことはない。お粂が駕にのせて帰って、一服の気つけ薬を与えれば、それで充分、元気は恢復しているべきです。――が、お粂があの時の親切気というものは、元々ふッと魔がさしたような、妙な心から発足していたので、どうしても、男をすぐに正気に回してしまう気にはなれなかったと察しられます。
と言って、気を失ったままにしておいて、自分の置きたい部屋に、そっと据えておくこともならない。
お粂が甘やかな親切気を見せて、気つけ薬と言いながら金吾に最初飲ませたのは、何か微量な毒のある煎薬で、かれは正気にかえると共に、一日ごとに、この家を出られぬ体となってゆきました。