후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
――まずどうなるか、愚臣金吾にまかせてお置きなさいまし、金吾が追ってまいりました」
そうです。彼は金吾に手がらをさせたい。この機会を完全に、金吾ひとりの力に授けてやりたい。――でなければ、よいのうちから随分と吉宗に翻弄されていた自分の鬱勃もやり場がありません。
吉宗の聡明は、たやすく彼のことばをうけ容れて、
「ウーム、それもそうか」
無言と冷静の佇立に返りました。
されば、日本左衛門を追って行った金吾には、彼ひとりの宿怨のほかに、「どうかやッてくれ、吉宗に見せてくれ、頼むぞ」と望楼の上で力こぶを入れている主人の期待が多大にかけられている。
元より金吾も怯みません。
彼が本丸の屋根によじれば、金吾もすばやく大屋根にのぼって、彼と十二、三間の間隔を、一跳、一歩にちぢめてゆく。
四方へ富士形にながれている屋根勾配は、追わるる者と追うものとの影を、見え隠れにさせましたが、やがて、表方の方へ、坂を下るように走った日本左衛門は、さすがに少し、その方角にも迷ったのでしょう、車寄せの破風から足を回して、ふたたび大屋根の浅瀬を駆けながら、当番所、納戸前、御台所の上まで伝わって来ますと、御広敷の橋廊下という屈強な渡りを見つけて、二の丸御門につづくお留守居部屋と賄い方の屋根をふみこえて走りつづける。