후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
その、迷路の靄に神易判断のうす明りです。
「ゆるせ」
という万太郎は、吸われるようにそこの囲いへ身を入れました。
「お……」
と提灯を向けたのは馬春堂。
判断の前に風采を一見して、これは掃溜に鶴の亡者、まずお掛けなさい、と愛想を言おうとしましたが、昼間、率八に水をぶッかけられた濡鼠の逃げ出しがたたッて、すっかり風邪を引いたらしく、また折悪しくクシ――ンと出る嚏を横へ飛ばしてしまう。
ある紛失物を求めるために屋敷を出た家来が今もって帰らないがその者の消息が知りたい。
まず、生死の点如何?
あるいはそのもの変心して遠く出奔したのでもあるか、どうか。
また求めに行った紛失物はかれの手に入っているのか、それともその所在は他にあるのか否か。
――徳川万太郎はあらましこんなところを告げて大道易者馬春堂の一筮を乞いました。
おぼるる者藁をもつかむの心理で、金吾の生死をひたすらに気遣うかれが、はかない八卦見の灯に吸われこんだ気持はわかりますが、さて、薄暗い卜机に対して、嚏を殺した馬春堂の赤い鼻を眺めると、まことにたよりすくない易面が、かれよりは客の胸にこそ先へうかぶでしょう。