후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「じゃあ、伝吉」
「へい」
「てめえ気の毒だがもう一度戻って行って、本陣の四ツ辻あたりで、おれが金吾様をつれて裏通りから宿へ帰るまで、見張りをしてくれねえか。何しろ当座は、あいつにだれかの姿を見せるのは禁物だからな」
かれはもう自分ひとりで、金吾と万太郎の引合せ役、また帰参の取りなし役を背負ッて立った気で、いや応なく、江戸表へ同道するものと決め込んでいるらしい。
で、どこまでも、このまま男女を会わせぬ方が万全の策と心得たものでしょう、旨をふくませてふたたび伝吉を町の方へ見張にやりました。
その伝吉が取って返して、本陣今井屋の四ツ辻の辺に姿をかくした頃――ちょうどその頃に丹頂のお粂は、ヒタ走りに浜の方へ馳け出して行ッて、
「どこへ? どこへ?」
あの切れの長い眼をつりあげ、あなたこなたをさまよっていました。
つづく限りの波うち際にも、磯松のほの暗い並木にも、金吾の影が見出せなかったので漁師町の細い露地から野原へ出て、夜も白い湯煙を噴いている法斎湯や平左衛門の湯のあたりまで足早に探しあるいている。
「逃げたんだね! あの人は」
そこで初めて、お粂はキッとくちびるをかみしめて、怨めしげな眼をうるませました。