후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「そりゃ、見かけねえはずだ、おら、旅の者だ」
「何、旅の者が、なんでこんな所に出しゃ張ってまごまごしているんだ。太夫に短刀を投げやがった野郎の片割れにちげえねえ」
「おッと、皆さん、逆上してそう勘違いされちゃ困る。おら、なるほど旅の者だが、太夫の粂吉たあまんざら縁故のねえ人間じゃあない。嘘だと思うなら、今ここへあの女が来るから、それに聞いてみるのが一番確かだろう」
「ふざけやがるな」
と、小屋の連中はますます怒り出して、
「まだ医者の来ねえうちは分らねえが、胸元へ三本も短刀を打ッ通された太夫が、なんでここへ歩いて来る、いよいよ此奴らは油断がならねえ」
と、一方の弁明もガンとして受け取らず、あわや再び、曲独楽ならぬ撲り合いの乱取が始まろうとしているところへ、嘘ではありません、衣裳を捨てて軽くなったお粂が、舞台白粉の顔のまま、髪だけをつぶしにくずして、赤い吉田団扇を指にはさみながら、
「おや、何をやっているんだえ」
笑ってそこへ立ちました。
楽屋へ抱え込まれると同時に、死んだものと思って騒いでいた粂吉が、ひょっこり大部屋格の娘連をつれて出たので、
「あれ?」
と呆ッ気にとられたまま、居合せた大勢の者は開いた口がふさがらない。