후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
浅草もちょッと横丁へ入ると、提灯の出入りするくらいな淋しさ。おまけに、秋も終ろう初冬も来ようという霜枯れ月の晩。
「親分」
奥へ入った手代の新助は、そこにいる者に不平そうに、
「つまらねエ口を出したんで、百両くれてやったようなものです。どうも親分は、時によると、女に甘い生地が出るンでいけねえや」
女気がないとみえて、ひとり、箱膳を隅ッこへ出し、ザクザク湯漬けを食べながら、箸休めのグチでした。
グチはいいが、新助、いかに店を仕舞った奥とはいえ、別人のようにガラリと変った今の伝法な物言いぶりはどうしたものか。かたぎな小間物屋の奥で、親分という声がもう穏やかではありません。魑魅魍魎の巣のようにひびく上に、なおさら怪しげなのは、そこの小火鉢にゆったりとしている人間の風体。
五分さかやきの浪人であります。年二十七、八、肩幅のわりに痩身ではあるが、浅黒い皮膚には精悍な健康が魚油を塗ったようにみなぎっている。また面長ではあるが、角ばッた顴骨と鋭い眉宇をそなえてもいる。
大小をおッぽり出して、坐りながらのふところ手で、膝の上にある桃色珊瑚の枝を眺め入りつつ、
「美い色だ、七ツは取れるな」