후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
そして九兵衛が思案をしているまに、門の閂をさッさとかって、奥に寝込んでしまったらしく見えました。
外に残された九兵衛は、やがて、薄ッぺらな黒堺へ、ゆがんだ笑いかたをして、
「いいお医者様だ。罪のねえ威張りかただ。ああいう人間からみると、このお爺さんなんざ人がわるすぎる」
門かぶりの木の枝へ、指をのばしたかと思うと、猫柳の葉も散らさず、ヒラリと黒塀を跳び越えました。
へいを越えた九兵衛は、広くもない医者の屋敷を悠々と一めぐり見て廻ってから、何かひとりうなずくと、スルスルと身をのばして、床下の奥へ這いこんでゆく。
土台の横木をひとつ跨いで、この辺と睨んだところで、しばらくジッと耳をたてておりましたが、やがて道中差のこじりを上に向けて、床板の裏をコトンと突いてみる。
静かに、板のキシムのを感じました。たしかに、この上の部屋に居る者は目をさましている。
「金吾様。……金吾様」
煤だらけな板へ顔をつけて呼ぶ。
「金吾様」
すると、上でかすかな返事がありました。まぎれもない聞きおぼえのある声で、
「だれだ? ……」と。
「九兵衛です。九兵衛めでございます」
「おうッ!」