후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
高麗川の谷間へ降りて、やがて奥秩父へ通う峡の奥へ逃げこみました。
唖の男が手に抱えて行ったのは、あの騒動のあった翌日、彼がふと廊下の一隅で拾い取った樟板の半分です。それを持って一散に、彼は奥秩父へはいって行きます。ふだん耄ている男に似ず、その足の早いことといったらまるで猿かなんぞのように。
察するところ、この水汲男は、唖を装って住み込んでいた「山の会堂」の諜者であったのではないだろうか。どうも彼の走って行く道が、例の天童谷の方角へ向っているような気がされてなりません。
前に見えるのは、鳥首峠です、左の山間に肩をそびやかしているのは天目山のようです。どうやら三峰の社前へ出る秩父街道の高原とはガラリと四囲の山容が変っている。
するとまた、その山ふところの霧の中から吹いて出されたような一人の男が、旅合羽をひらひらさせて、唖の男の駈けてゆく彼方から、これも山馴れたわらじばきで、スタスタと急いで来る姿が見えます。
飄々と風に吹かれて飛んで来た旅合羽の男を見ると、偽唖の男は、樟板の絵図の半分をあわてて小脇に隠して、顔をそむけながら道のわきへ身を避け、彼の行過ぎるのを待とうという素振りに見える。