후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「ああ、ここがどうして江戸なのだろうか」
不思議な錯覚さえ起こって来ます。
案内役の剛兵衛は、自分のものでも見せるように得意になって、
「どうして江戸でない事がございましょうか。内濠、外濠、幾つもの御門を通らなければ、江戸城の外へは出られませぬ」
「それは分っておる」
「はっ」と、剛兵衛は言い過ぎたかと、少し冷やりとして金吾の方を向いた。
「若殿にもお疲れでござりましょう故、今日は、このくらいにしておいては如何で? 山里やその奥の方はまた明日御案内いたしまする」
「そうじゃの、日もだいぶ暮れてまいった。剛兵衛がああ申しますが、若殿には如何なさいますか」
「剛兵衛、この辺に家はあるか」
「お茶屋のことを仰せ遊ばすので?」
「そうじゃ」
「ならば、こうおいでなさいませ」
と剛兵衛は針葉樹帯の山間を縫って、少し、道を西へ下がってゆく。
松と松との林間です。見るからに静かそうな、一戸の寒亭が戸閉してある。古びた戸額の文字を仰ぐと、船板に白緑青、題して「錦霜軒」と誌してある。
その林間から、江戸の市街がすいて眺められます。山を北にした東南向きの建て工合、冬のお茶屋と見えまして、そこへ来る風当りがバッタリ違う。