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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
――所信と体験――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,895 字 · 222 页
学校生活をした人は店務には適せぬものが多い。もともとそれらの人々は官吏か大会社の社員になることを志望し、必死の努力で受験難を突破して学校に入り、ようやく卒業してみると意外の就職難でやむを得ず方針を変え、あるいは一時の腰掛けに商店に来るのであって、最初から商売に志すものとは自ずからその性質を異にする。また長い間勉強で神経を使い、試験で精力を消耗している上、二十五、六歳までペンより重いものを持ったことがなく、他人の命令で働いた習慣のない青年たちである。店に入って急に店の規律に服し、毎日同じような煩雑な、しかも相当筋肉労働にも従事せねばならぬのであるから、馴れた者にはさほどでないこともなかなかの負担で、我慢に我慢をしてようやく一日を終ることとなる。これでは店員として成績の上がる見込はないのである。それゆえせっかく入店しても結局中途で退店するものが多く、私どももまことに遺憾に思うことである。
これに反し、小学卒業生は年少活発で何をするにも興味があり、元気で愉快に働くので、比較的容易に仕事に関する知識を会得し、一、二年後には早くも一通り役に立つようになる。