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いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

――所信と体験――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,895 字 · 222 页

青空文庫

別記

研成学院と往年の思い出

のを拵え、農家の子弟や商店の徒弟を冬の暇な時に集めて、少しばかりの学問を授ける。それも農家の子弟に農業のことを教えるのでなく、商店の者に商売のことを教えるのでもない。そういう職業には直接関係のない、国の歴史とか宗教とか、主として人間を高尚にする学問を教える。まあ大学の初歩のようなものである。

その学校の成績が非常に宜しかったので、同じものが全国にいくつも建てられ、デンマークは今日では世界の模範国と称されるほどになった。それが僅か三、四十年前のことである。この学院もその国民高等学校の趣旨を少しくお手本に取ったものである。ここで諸君が仕事のかたわらの勉強によって、デンマークの学校と同じような効果が現れることになれば、諸君にとって、また我が日本国にとって非常によいことである。ここがうまく行けば余所でも真似るようにならぬものでもなかろう。それは諸君の勉強の如何によるのである。こういう趣意であるから、そのつもりで奮発して下さい。

別記

研成学院と往年の思い出

私は自分の過去を語ることにはあまり興味がない。孫たちはだんだん大きくなるし、店には大勢の少年諸君が、希望に燃えて溌剌として働いている。