轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなきしゃのやくわり

女記者の役割

野村 胡堂

「文芸倶楽部」1930(昭和5)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,039 字 · 32 页

青空文庫

高城さんはそんな方では御座いません」

「何を言う。証拠はそればかりでは無い、――この金庫の合言葉を知って居るのは、私とお前ばかりだ。自宅の金庫は、亡くなったお前の母親の名を合言葉にし、事務所の金庫は、お前の名のハナエを合言葉にしてあることは、私とお前より外に知ってる者がある筈は無い。お前は高城にこの合言葉を教えて、金庫の中から書類を盗ましたろう。あの書類の内容が世間へ発表されると、私は腹でも切らなければ申訳が立たない事になる。サア、此上の迷惑をかけずに、教えたら教えた、盗んだら盗んだとはっきり言え。此処には警視庁の花房君が居る、電話を一つ掛けさえすれば、三十分と経たない内に、高城鉄也は縛り上げられるのだ」

「お父様、お父様、そんな事は御座いません。私が何んにも知らない位ですから、高城さんが金庫を開ける道理がありません」

美しい花枝は、犇々と膝に取縋って、いじらしくも涙に濡れた眼に父親を見上げますが、燃えさかる父親の忿怒は、そんな事では宥めようもありません。

「花房君、電話を掛けてくれ給え、一刻も早く高城を縛らせて、謄本を回収しなければならん」

「かしこまりました」