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おんなきしゃのやくわり
女記者の役割
野村 胡堂
「文芸倶楽部」1930(昭和5)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,039 字 · 32 页
九
「宜しいとも、これだけの証拠があれば、現行犯も同様だ」
「では、御免下さい」
身を翻した花房一郎、高城鉄也の腕を掴むと見せて、後ろのカーテンをサッと引きました。其陰には一人の男、驚いて廊下へ飛出すのを、後ろからギュッと首筋を掴んで引戻します。
「あッ、お前は小柴」
「此奴が機密書類の犯人ですよ」
「えッ」
一座の驚きは絶頂に達しました。書記の小柴静夫は、花房一郎の腕から脱けようとして、暫らくは死物狂いで争いましたが、恐ろしい剛力に締め付けられて、貧乏揺ぎも出来ないとわかると、あきらめた様子で、そのまま床の上へヘタヘタと崩折れてしまいます。
九
小使を呼んで探させると、小柴の卓子の中には、横着なことには、機密書類の謄本がそっくり保存してあります。灯台下暗しとでも思って、こんな手近なところへ隠したものでしょう。
「どうして小柴が犯人と解りました。この写真は高城君が写って居るのは一体どうしたわけです」
間の悪さも忘れて、園田氏は花房一郎に問いかけます。
「それより先に、此奴の始末を付けましょう。園田さん、これは矢張り警視庁へ引っ立てましょうか」
「イヤイヤ、事件はなるべく表沙汰にし度くない。