轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
「日の出」新潮社、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,280 字 · 301 页
その二人が恋人でもあることか、一人は稀代の殺人魔、一人はそれを追いつめた名探偵。何という不思議な取合せ、常規を逸した光景であったろう。
宗像博士は泣き伏す女怪を、あきれ果てた面持で眺めていたが、やがて感に堪えたように、しきりと肯きながら、
「うまい。実にうまいもんだ。君は名優なばかりでなくて、すばらしい小説家だ。よくもそこまで考えたもんだねえ。すっかり辻褄が合っている。
だがね、それは君が創り出したお話に過ぎないと云われても、何の反証も上げられないじゃないか。男の友達があったということは、証人もある事だから、本当に違いない。しかし、それは、君を捨てた夢のような恋人ではなくて、君の人殺しの相棒だったと考える事も出来るのだからね。
この殺人事件には、君とそっくりの男装の女が、度々顔を出しているのだが、その女にはいつでも左の目に眼帯を当てた大男がついている。君の今云った男の友達にそのままあてはまるじゃないか。
エ、どうだね。そう考えた方が、少くとも実際的ではないかね。君の今の話は、なかなかロマンチックで面白いことは面白いが、まさか、そんな夢のような話を信じる裁判官はあるまいぜ。