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せいじがくにゅうもん
政治学入門
矢部 貞治
「政治学入門」アテネ新書、弘文堂、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 页
などという点にあると一般に認められている。しかし先に挙げた多元的国家論などは、そのような差別を認めない。すなわちこの立場に立つ者は、
(一)の点につき、国家でも国籍の離脱や帰化が可能であり、生れながら必然に加入する点は家族なども同じである。
(二)の点では、別種の団体ならなるほど同時に二つ以上に属することができても、しかし同時に二つ以上の教会や組合には属することができない点は、何ら国家と異ならないし、他方では国家でも二重国籍ということもある。
(三)の点でも、地域と結合している団体がある。
(四)については、正に国家が全般的な目的を持つということが誤りなので、国家も社会的な統制規律という特定の一機能を持つにすぎぬ。
(五)についても、生命の短い国家もあるし、カトリック教会のごときはほとんど永久的な存在である。
(六)については、形は異なっても強制や制裁はどの団体にもある。そして個人の立場からいえば、国家の制裁よりも他の団体の制裁の方が苦痛である場合もある。
というように論じて、国家と他の団体との本質的な差別は、ただその機能だけだというのである。
これらの論点を部分的にみれば、なるほどそういうこともいえないこともないが、しかし多くは特殊の例外的な場合を取り上げて、それをことさらに一般化したという牽強附会の感を免れない。