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せいじがくにゅうもん
政治学入門
矢部 貞治
「政治学入門」アテネ新書、弘文堂、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 页
3 国家の起源
かりに国家が統制とか規律とかいう特定の機能に限られるということを認めるとしても、その機能そのものに根本的な特色がある。すなわちそれは、必要あれば物理的強制権力をもって、領土内の一切の団体を服従せしめるところの、最高で一般的な規律統制の機能なのである。このような機能は、国家以外のどんな部分社会も持ってはおらない。
いわんや国家は単なる政府ではない。単なる政府なら、多元的国家論者のいうような点も、ある程度認めることができるが、国家はあらゆる機能や職業を包括し、一切の部分社会の基盤に存在する共同社会であって、これを特殊の部分社会と同列におくことは、決して正しいといえない。だから多元的国家論者として認められているギールケ、メートランド、ポールボンクール、デュルケム、フィギス、ラスキなどの所説を検討してみると、結局はやはり国家が「諸団体の団体」であることを、認めねばならぬことを示している。
3 国家の起源
国家がどのようにして発生したものかは、要するにすべての物のはじめと同じく、正確にはわからない。いろいろの仮説はあるが、要するに仮説であって、しかも多くは自分の国家論を基礎づける一つの手段として、あとから意識的に作られた仮説である。