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せいじがくにゅうもん

政治学入門

矢部 貞治

「政治学入門」アテネ新書、弘文堂、1951(昭和26)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 页

青空文庫

四 政治闘争の要因及び手段と統合の態様

1 政治的対立の諸要因

それが政治のおかれている地位であり、すなわちまた政治的人間の立場なのである。

四 政治闘争の要因及び手段と統合の態様

1 政治的対立の諸要因

政治は社会内の雑多の対立、分化、相剋、抗争を、権力を背景にして統合し組織化することであるが、それではその政治的対立の要因はどんなものであろうか。

それは要するに極めて複雑な諸要因を含むので、個人的な対立もあれば、地域的な相剋もあり、思想や宗教の対立もあれば、経済上職業上の抗争もある。組合や階級の対立抗争という形をとることもあれば、政党や派閥の抗争として現れることもある。人種や民族の闘争もまた極めて重要な要因である。これらの各の要因をとってみても、それ自身が極めて複雑で、たとえば個人的な対立といっても、能力や財産の不平等からくることもあれば、思想や性格の差からくることもあり、野心や利害の相剋から生れることもあり、個人が連なっている家族や門閥の関係から生ずることもある。従ってこれらの政治的対立を簡単に類型化したり、ある要因だけを絶対視して考えることは正しいといえない。

例えば階級的な対立の要因のみを絶対視する説がある。