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せいじがくにゅうもん
政治学入門
矢部 貞治
「政治学入門」アテネ新書、弘文堂、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 页
のが、一般に認められる区別である。
これらの点はだいたいにおいてその通りであるが、現実の政党については必ずしも当らない。それは政党がややもすれば徒党に堕するのだともいえるが、しかし政党も本来その語源の示すごとく「部分」であるから、その組織も目的も主張も、やはり部分的であることを免れない。ただ政党は、民主政を前提として国民多数の支持を得て政権を握ることを目的とするから、どんなに部分的な利益を考えていても、必ずそれが国民の公共利益に合致するのだということを、国民に納得させねばならないのである。その意味では、絶対的に階級的または部分的な政党というものは、実はほんとうの政党ではない。民主政で政党という以上は、必ず同時に国民的政党という性格を持たねばならないのである。
例えば労働者だけの利益とか、農民だけの利益とか、特殊の地方利益とか、宗教団体の特殊利益とか、少数民族の立場とかいうものだけを固執して、公共利益を無視し、従って国民多数の支持を得て政権を握ることを考えないものは、固有の意味の政党ではなく、むしろ「分派」とか、「フラクション」とか、「政派」とかいうべきものである。