轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

02 第二分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 页

青空文庫

笈や杖や、変りはてた甚七の姿を見て、

「山伏となってか」

と、元康の眼は、宥わるようであった。

「はい、諸国を歩くには、かような身なりが、至極便宜でござりますゆえ」

「いつ戻ったか。――府中へは」

「たった今でござります。御門からと存じましたが、また直ぐ、他国へ立つ体、お身内たりとも、知れぬに越したことはないと存じまして」

「……はや、四年になるのう」

「はい」

「諸国から、その都度、細々とそちの見聞は書面で受け取っておるが、美濃路へはいってからは便りがないので――実は案じていた折じゃ」

「美濃の内乱に出会いましたので、関所固めや、駅伝の調べが一頃やかましくて」

「あの折、美濃に居合わせておったか。よい時に美濃にいたの」

「そのまま、一年の余、稲葉山の城下に潜んで、成行きを見ておりましたが、御承知のように、道三山城は相果て、義龍が美濃一円を治めて、一先ず落着いた様子に、京へ上り、越前へ出、北国路を一巡して、先頃、尾州まで立ち戻って参りました」

「清洲へ足を入れたか」

「審さに……」

「聞きたい。さし当って、美濃の将来は、府中におっても、見とおしがつく。――が、容易に推測れぬのが、織田の現状じゃ」