轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
04 第四分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 页
安藤伊賀守を予の使いとして城中へつかわし、降伏なせば、小谷の旧領は、そのまま与えようと申し遣り、また、恃みとする越前も、信長の手に収められたことなど、篤、云いつかわしてみたが、浅井父子の頑迷、すこしも顧みようとはせぬ。依然、強がっておるのみなのだ。……その強がりは要するに、信長の骨肉を、城中に抑えておるゆえ、よも無二無三には攻め得まいと、お市の生命を、楯としていう強気に過ぎまいが……」
「いや、それだけでもありません。ここ一、二年、横山城にあって、自分がじっと観ておりますに、長政どのには、さすがに英気もあり意地もあります。ただその意地が小さいだけですが、足利公方や越前の義景どのなどの比ではありません。……で、一朝、ここの攻略となった場合には、どうするが最善の策かと日頃から工夫をめぐらしておりましたので、いささかそれが今日に役立ち、もはやあの京極曲輪だけは、この藤吉郎の手に一兵も損せず、墜し入れてありまする」
「なに? ……何と申したか」
信長は、耳を疑った。
藤吉郎は、繰り返して、
「あれに見えます、二の曲輪です――。あの一廓だけは、もうお味方に収めてございますゆえ、御安堵あそばすようにと申しあげたのです」