轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

04 第四分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 页

青空文庫

義昭は、嫌々だったが、嫌といえなかった。――役にも立たない厄介者を伴れたようであるが、信長に取っては、名分の楯になる。また反間の計にもなった。

難波の神崎川、中津川のあたりは、まだ葭や葦や所々の耕地や、塩気のある水がじめじめしている池などの多い――渺茫たる平野だった。

中島には、南中島と北中島とがある。――北の砦には、三好党が拠り、南の小城には、細川藤孝が拠っていた。

戦いは、この辺を中心として、九月の上旬から中旬まで猛烈に一勝一敗をくり返していた。――野戦であり、盛んに新式の小銃や大鉄砲が用いられた。

「――今だ!」

九月十四、五日から十六日にわたる頃である。

それまで、山深くに、また城を閉じて、敗戦の惨味をかみしめていた浅井、朝倉の軍勢は、信長の虚を窺うや、装備を革めて、琵琶湖を漕ぎわたり、大津、唐崎の浜に、陣を布き、一部は、叡山へさして続々と登って行った。

宗門の上では、派別を称えている僧団も、「反信長」の行動では、完全に、

――打倒仏敵。

へ一致していた。

「彼は、叡山の山領を、恣に削った。――伝教大師このかた、不可侵境の山則を、またわれわれの体面を、辱め踏みにじった!」