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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
04 第四分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 页
――と、その中に、色の小白い人夫がいた。こういう荒仕事にはまだ馴れないらしく、足もとも危うげに、顔をしかめながら、材木のはなを担いでよたよた歩いていたが、ふと、藤吉郎のほうを見ると、
「――あッ?」
驚いたはずみに、四天の棒を、肩から外してしまった。
ふいに、一方の者に肩を外されたので、相棒の人夫もよろめいた。のみならず材木のはなが、その人夫の足の甲にどんと落ちたので、
「あ痛ッ」
悲鳴をあげて、仰山に、ぶっ倒れた。
すぐほかの人夫が寄って来て、材木の下から足を抜いてやった。人夫らしくない痩せがたの男は、自分の過失におののいて、
「ごめんなさい。どうかご勘弁をねがいます」
と、もう当然な折檻が降りかかるのを恐れてか、頭をかかえて、地に額をすりつけた。
「まっ、まぬけめッ」
ちんばを引きながら起ちあがった被害者は、まっ蒼な顔いろして、いきなり相手を撲りつけた。それでも、腹が癒えないとみえ、耳を引っぱりながらさけんだ。
「おいッ、みんな、手をかしてくれ。この野郎のどじときたら、一度や二度のことじゃあねえ。力仕事に馴れねえなら、日傭などに来なけれやいいんだ。賃銀泥棒だ、こいつあ。