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にっき
日記
宮本 百合子
10 一九二四年(大正十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页
一月八日
一月九日
一月八日 火 晴
カンペイ式にAの兄、六時頃から出かけ、昼すぎ頃までかかって見物。
A、今日から学校が始り、今度からシェクスピーアの原文で教える(Deighton とか云う人の Student Shakspeare だが)と云ってよろこんで居る。十幾年か前、彼は沢山そのために本をあつめ、Shakspeare Bacon の問題を突ついたことがあるのでなつかしくある自信をもって居る心持なのだろう。夜塩町に散歩。ひっそりして灯と旗ばかり舗道にはためききらめき、木枯に吹かれて寂しいこと。三十日に押されてやっさやっさと通ったところと思われない。中公、豊島氏、とにかく彼のものを見出しつつあり。だるま、愉快な、太閤とそろりに似た存分の大きさあり。頭をたたかれたので悟ったと云うだるまの朗らかな心持。
〔欄外に〕林町の人々、常盤館より帰る。私とA東京駅まで出迎える。
一月九日 水
いよいよ、Aの兄明日かえると云うので、けさは、玉川にゆき、夜は銀座にゆく。Aの兄が来てから私のあんだもの、トシ子のエリ巻、老父のエリ巻、ポンポ巻、一夫さんのスウェーター。(未完成)
「雨蛙」