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にっき

日記

宮本 百合子

10 一九二四年(大正十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页

青空文庫

一月十八日

一月二十日

一月十八日 金 晴

まるで久しく雨も雪も降らないことだ。十二月の始め頃雨があったばかり。又一ヵ月晴天がつづく。幾度たたいても間違った Day's の注文、ステッヘルト Gough の、皆すませた。夜、高木七郎来、十二時まで種々実業家、政界のことを喋って行く。妻君と離婚問題があるらしい。Aに(どうするかわからない)と云ったと云う。彼の話しぶり、倉知の叔父の話しぶり比較して見、実業家の一つ共通なタイプを見出した。それは、接続詞を全然抜いてはなし、それを使うときには前の文句と少くとも半分、二十秒位の間を沈黙において徐ろに、(ところが)と云う風に出る。又、ひとを見る目つきも似る。宛然、大腹中而して俊敏と云う風に。それで彼(高木)の顔は正面から見ると非常に強そうな、何方かと云えばはしこそうな表情があるが、側面から見ると、田舎くさい、暗い、鈍いところあり。見て居乍ら非常に面白いと思った。鏡を見て先ず見えるのは正面だから、正面は人工的顔で側面が天性を露出させて居るのか(少くともその一部は本当だろう。)これからひとの横顔は注意して見よう。

一月二十日 日 晴

A一日家居、空想的希望で、家の plane 書いて居る。