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にっき
日記
宮本 百合子
10 一九二四年(大正十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页
一月二十九日
一月三十日
眼の力がすっかりなくなった。A、大学から来るかと思って行ったのに行かず。三時頃かえって来た。なか、あの大きな体とあの小さな光のない頭とで、どんな心持で生活してゆくのかと、妙な心地がする。夜、London Times のリテラリー・サップリメントに Goethe のシルレルに送った書簡集の批があり、感激した。ゲーテのシルレルに持つ感謝――すべてよき友情に対して持つ感謝は、私の野上さんに持つ感謝だ。彼女によって、私はずっと集注的にされる。夜、Aと買い物(さいの見舞)その他。
一月二十九日 火 晴 ◎
思いがけずA休み。楽しいらしい。この間の日曜のなしくずしらしい。二月号の『中公』をよむ。室生氏の作品はどうしてああ云う調子なのか。いやなり。散々、貧乏をし、苦労をし、少し生活も楽になったかと思うと退嬰的な退屈、妙に脂じみた物うさを持ちまわすところ鼻持ちならず。成り上りと、何故誰も彼の急処をささぬ。忽ち、うじゃじゃけるのがたまらず。
一月三十日 水 晴
朝早く起きようとしても起きられず。例の時はいつもよけいに睡いのだ。今日の『読売』か何かに、女性が生理的に病的期間が多いのだから、男性と同様の生活は出来ないと或医師が主張して居る。