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にっき
日記
宮本 百合子
10 一九二四年(大正十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页
二月六日
二月七日
一寸よむ。非常によし。始めて Gissing のものをよんだのだが、英国の作家――二十世紀の――と思われない程のところがある。英国の作家と云うと、大抵何方かと云えば well-to-do で中流的な雰囲気をもって居るらしいのに Gissing は、貧乏のどん底に居、一つのささやかな家の住活を実に東洋人のようにしみじみと味って居るような点。
二月六日 水 晴
A、今日は学校をやすみ、よこはまに浜中氏を迎えにゆく。午後四時入港の由。夕方六時頃かえる。ハマナカ氏、New york で会った頃から見るとずっとふっくりし、ためによほど poor man でなくなって居る。それでも神経質なところはあり。私は八畳の方にね、浜中氏に Bed をゆずる。彼のようにまる十八年も日本に居ず、かえって家もないのはあわれだ。
二月七日 木 晴
「よき中流人」の方で少し陶器の研究が必要なので、丸善に行こうとし、思いかえして事ム所に行った。幸、父上居、Furniture の本二冊、林町にある陶器の本をかりる約束をし、徳大寺氏とともに三人で、すぐそばの竹葉にゆく。さすが竹葉、竹をつかうバラックとしては感じよし。