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にっき

日記

宮本 百合子

10 一九二四年(大正十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页

青空文庫

二月十六日

二月十七日

二月十八日

二月十九日

二月十六日 土 晴

浜中さんが居るので、二人とも、平常のように自由に勉強出来ず。夜、Aも少々苦しまぎれ、仕事をやめて、さいをまぜ、四人で遊んだ。

二月十七日 日 晴

アンドレーフの Anathema、昔よんだ日本語訳を出して英訳と比較して見たら、なって居ないこと夥しい。アンドレーフのあれを書くときの象徴的な気分を訳者が感得しなかったのが失敗の最大原因だ。スエコ来、山王にゆき、子供のときとすべてが違うのにおどろいた。赤坂見つけ近くで国男に会い一緒にうちへ来、紅茶をのんでかえる。

二月十八日 月 晴

A、Sadi の「グリスタン」の中、格言のようなもの丈訳して『東洋仏教』に出すつもりらしい。「よき中流人」考えてゆくうちに段々 theme が変って来、只、humorous なものから好事家の熱心、つみのないよろこび、その他をあの元の筋に加えて書きたくなって来た。題もこれでは変るのが当然になって来た。この変化にうれしくなり、野上さんのところに手紙を書いた。「隅田川」によって与えられた印象も書いて。夕刻、林町からの速達、行き、泊る。

二月十九日 火 曇

林町での話は、向島の祖母のことについてであった。