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にっき

日記

宮本 百合子

10 一九二四年(大正十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页

青空文庫

四月九日

四月十日

四月十一日

四月十二日

四月十三日

鎮めようとして、「金槐集」を筆写する。筆で文字を書く仕事は、私の鎮経法だ。

ハーデーの Life's little irony をよみ、なかなか面白い。

四月九日 水

「底潮」書き終る。題が気に入らず「心の河」とした。

林町に夜ゆく。

四月十日 木

昨夜眠れず。午後一時に床を出た。英男、父上と九州の旅行からかえる。午後、本田道ちゃんの結婚祝の品を見に三越にゆき、ろくなものがなくて、白木屋で Tea set を買いとどけさせる。かえりに資生堂でお茶をのみ。

四月十一日 金

野上さんのところにゆく。湯浅芳子と云うロシア文学の研究者に会い、面白かった。丹野さんをもう少しどうにかした強さを加えたような人。まるで女らしい俗気が少なく、私をずっぱりさせる。夜自笑軒で御飯。

四月十二日 土

夜、三河や。河崎、金子、新妻、石本、私。

山形から仁藤まつえ、父寅蔵来。兄につれられて。兄はぐうたらで仕様がなし。

――○――

沈丁花ちり。山吹、乙女蕾、おそざきの八重桃盛り。柳の芽柔かい緑一寸五分ばかり。銀杏、ちょぼりと芽立つ。

四月十三日 日

本田道ちゃんの披露、まるでなって居ず。