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にっき

日記

宮本 百合子

10 一九二四年(大正十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页

青空文庫

五月八日

五月九日

学術、芸術の理解にはちっとも標準を持たず、しきりに「泣く」情緒にテンメンとして居た。例えば、アインシュタインと離れるとき、私は泣きましたよ、と云う風に。『改造』はあの男の山気だけであの位になって居るのだろう。

おひるを御馳走になり、四時頃、湯浅氏を愛国婦人会に訪ね、※(「凪」の「止」に代えて「百」、第3水準1-14-57)月でお夕飯をたべ、東洋キネマにゆき、芳川に会う。かえりに又※(「凪」の「止」に代えて「百」、第3水準1-14-57)月でお茶をのみ、ずっと九段上迄歩いて、湯浅さん、家のすぐ前まで送って来てくれた。うちにお泊りなさいと云うのにきかず。

五月八日 木

びしょびしょ雨が降るが、当分わかれて居るのだからと思い、国男と二人で十字やへゆき、資生堂でお茶をのみ、国男は芝へ、自分は林町にかえる。夜、父上、「クォ・ヴァディス」を見て来たと云っておそく帰宅、おみやげのお菓子をたべながらおそく迄愉快に喋った。父と母とが睦しく喋って居るのを見ると悦しく、なつかしい。

○『読売』へ二枚半ばかりの感想を送る。

五月九日 金

一時の急行で安積に来る。祖母上同伴、曇キミの天気であったのが、宇都宮すぎてひどい風雨になり、郡山に六時についたら、仕様のない暴風雨。