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にっき

日記

宮本 百合子

10 一九二四年(大正十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页

青空文庫

五月十日

五月十一日

五月十二日

五月十八日

俥にホロがかけられず、羽織を引かぶって家に辿りつく。久しぶりで見た人々、実にキノ子のよう。心、智の閃きなく、此那ところに一年居たらどうなるかと思う。

五月十日 土

二の間の隅に古本箱や何かを持ち出して、上に、元祖父の使用された机をのせ、卓子を作る。ゴタゴタ本は、四角い楠の机にのせ、家らしい暖みを作るために、持って来たメリンスの布を坐布団にかぶせる。お里さん結婚する由。午後、湯浅、野上両氏あてに手紙を書く。

五月十一日 日

母上よりの手紙。彼女らしい激情によって書かれたものだが、母の愛が身にしみ、涙が危くこぼれそうになった。返事を書く

五月十二日 月 晴。

風はかなり鎮ったが一向天気がはっきりせず。午前中郡山に買いものにゆき、かえってから、ケーベルの続小品集をよむ。阿部次郎ではない。所々ぬきがきす。

祖母のあわれさ。彼女の頭の中を見たら、いつも実に沢山の台所道具と、古い不快な記憶が、それこそワラワラ出て来るだろう。

次にかかる仕事について考える。今度のものにはどうかして、黎明的な予言の光を加えたい。徒に風俗心の描写はいやだ。

◎五月十八日 日

新しい仕事にかかる。