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にっき
日記
宮本 百合子
06 一九二〇年(大正九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,923 字 · 46 页
一月七日
三月十八日
静かな、無人な、而して明らかな夜に座して、私の心は潔斎致します。
一月七日
宮島新三郎氏が、『国民新聞』で、私の「渋谷家の始祖」に与えた批評の或言葉についての感想。
彼は、私が芸術の最も大切な、事物の具象化を、却って抽象化して居る、つまり主人公の心持も、自分の概念で作って、心持を抽象して居ると云うような事を云われた。芸術の具象化……。其は明かに、私の技巧の劣った点から来て居るのではないだろうか。ロダンの作を見てうける感銘を、私の作品は持って居ないのだろう。立体的観察の欠乏、或は、未完成。(『文章世界』に出た、有島氏の、イブセンの「死者の復活する時」と云う脚本は読むべきものだと思う。よき作、よき魂、よき魂、よき謙譲さと祈念。)
三月十八日 開成山にて。
Gibbs の“The street of Adventure”の中に斯う云う事がある。職業婦人は、家庭の婦人の領域以外の知識や能力を持って居るために、或意味の恐怖から、自分達を除外する、婦人と同様に男子もそうして一層婦人に苦々しい思いをさせる。面白い仲間として、話し、笑い、共力するだろう、が、外の娘と結婚する。