轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんだちどり
死んだ千鳥
吉川 英治
「婦人倶楽部 臨時増刊」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,539 字 · 32 页
落ち札
(女讐!)
と、彼は自分達をさして呼ぶだろう。あの凄い相貌をもって、妻ばかりでなく、自分をも、併せて尾け狙っている事は相像に難くない。
『……もしや? そうだ! もしや出先で妻の身に』
不安は彼の足を自でに迅めさせた。物に追われるような眼いろを持って、その眼は又、妻の姿を探し歩いた。
落ち札
『……さあ、ちとお話が御無理でございますな。ただの屋敷奉公では、前借などという事は計ってくれませんし、前借のできる勤め奉公では――お茶屋、湯女、船宿、その他、水商売など種々ございますが、それもせいぜい年三両か四両くらいしか貸してはくれませんので、あなた様の仰っしゃる五十両などというお金は、どうしても、遊廓より他には貸してくれる所はございますまい』
槌屋という周旋屋の手代はそう云って、じろじろと、墨江の横顔や身装を眺めながら、又云った。
『そうそう、番町の或る御大身の御隠居でございますが、そこならば、都合に依っては、二十両や三十両のお支度金は出して下さるかも知れませんな。如何でございますか、そんな傭口へ、ひとつ、お見得なすって御覧なすっては』
『そこは、お屋敷ですか』
『左様でございます。