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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页

青空文庫

スミス警部は、出発にさきだって、警視総監から激励のことばをうけた。

「――なにしろ、世界一のクイーン・メリー号がどこへ消えたかわからないとあっては、わが大英帝国の国辱問題だ。巨船の行方がわからないうちは、ふたたびロンドンに帰ってこないつもりで、大いに任務をつくしてもらいたい」

「もちろんです、総監閣下。メリー号の竜骨をつかむためには、百ひろの底へもぐってもいいと思っています」

スミス警部は、決心のほどをかたくむすんだくちびるのあたりに見せて、総監の前をさがろうとした。

「スミス警部!」

と、総監はいすからたちあがって、スミスにかたい握手をもとめ、そして声をひくくしてささやくようにいった。

「これは、大秘密なんだが、聞くところによると、ちかごろ大西洋方面から怪しい電波がときどきとびだしてくるそうだ。何者が打つのか、まだ正体はしかとわからないが、大いに気をつけたがいい」

「怪しい電波ですって。無線電信ですか、無線電話ですか」

「それはどっちともわからないんだ。暗号電信のようでもあり、また人間の声のようでもある。なにしろ海軍当局――いや、某所で受信した度数も少ないので、正体なんかハッキリしていない。