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かいていたいりく
海底大陸
海野 十三
「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页
借りた恩
それがいいではありませんか」
とクーパーは、博士たちに、超人をだまして海上へ出たら、その足でメリー号の乗員といっしょに逃げだすことをしきりにすすめるのであった。
借りた恩
クーパー事務長は、しきりに長良川博士を説いて、海底大陸からの脱走をすすめるのであった。それも、むりならぬことだった。クイーン・メリー号がもしふたたび海上に浮かべば、その恩人は長良川博士であった。だからその恩人を、今後一年も、この海底大陸におきばなしにしておくには忍びないから、英空海軍の手をかりて、恩人長良川博士を助けださねば相すまぬと思っているのだった。
「いや、クーパーさん。わたしのことなら心配は無用です」
と長良川博士は、言下にこたえた。
「わたしはやはりこの海底大陸にこの一年間を暮らします。約束はやっぱり約束ですからなあ」
「約束といっても、人間同士の約束ではなく、相手はばけものじゃありませんか。博士、ぼくたちといっしょに逃げることにしてください」
「いや、なりません。相手が人間でないばけものであればこそ、わたしたちは細心の注意をし、そして、約束をまもらねばならない。さもないときは、――」