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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页

青空文庫

と、長良川博士はテーブルのまえに上半身をのりだし、きわめて荘重な口調をもって、

「海底超人は、それ以来四千年というものを、日光をもあびず、地底でくらした。そのために、かれらの肢体は、われわれ人間とはたいへんちがったものになってきたのである。いや日光ばかりではない。かれらの形体をもっといちじるしく変化せしめたものは、実に宇宙線を遮蔽して生活したことによる影響である」

「なに、宇宙線の遮蔽!」

聴き手の学者たちは、思いがけなくも、長良川博士が宇宙線の影響を持ちだしたので、はっと胸をつかれたように思った。

宇宙線! 宇宙線!

宇宙線は、天涯から地球へも飛んでくるふかしぎの放射線である。それはX線の三千倍も強い放射線であって、われわれ人間は、その好むと好まざるとにかかわらず、一分間に一万五千個の宇宙線粒子にさしつらぬかれているのだ。

この宇宙線の粒子一個を水中にはなつと、じぶんでもって水にさからって約七百メートルをさしつらぬく力がある。

海底大陸では、どうか。海底大陸は、実数はまだわからぬが、天涯から飛来する宇宙線も、ついにとどかない区域なのである。だから海底超人は、字宙線のあじを知らないで四千年近くのながい年月を経たのである。