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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页

青空文庫

その小さい船体! どこからあのような恐ろしい防禦力が出るかと思うばかりである。

「鉄の水母」の乗組員は、まったく見えない。ただ司令塔の眼から、れいの紫の光線を空にむけて放出し、さあ、これからそっちへ向けてやろうかといわぬばかりに、のこりの四機の偵察機隊の方にちらちらとおどかしをこころみている。

「うむ、『鉄の水母』はいやに落ち着いている。ゆだんがならない」

とルゾン号の船長は、ひとりごとをいう。

スミスが無電室から出てきた。

「スミス警部。あなたは偵察機に乗りうつるという話じゃったが、どうするね」

警部は、それが聞こえないようすをよそおって、船室の方に下りていった。それっきり、ルゾン号がフランス本国のルアーブル港につくまでというものは、一度も甲板の上に出てこなかった。

もちろん四機の偵察機隊は、ラスキン大尉の号令一下、みごとな隊形をととのえて、英本国の空さして引き上げて行ったのであった。

かくして、巨船クイーン・メリー号の沈んでいると思われる大西洋の波は、もとの静けさにかえった。

疑問のあやしい船「鉄の水母」も、いつしか夕陽にはえる美しい波まに、ずぶりと沈んでしまった。