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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

02 中巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 页

青空文庫

の手元に預かる方が自然であるようにも感じていたのであった。尤もそれには、貞之助が矢張本家に気がねしながらも、妻のそう云う性質に理解ある態度を示して、快く義妹達を受け容れていたせいもあろう。が、まあそんなような次第で、彼女と二人の妹達の間柄は、ちょっと普通の姉妹の観念では律し難いものであった。彼女はしばしば、貞之助のことや悦子のことよりも、雪子のことや妙子のことを心に懸けている時間の方が多いのではないかと思って、自ら驚くことがあったが、正直に云って、この二人の妹は彼女に取って、悦子にも劣らぬ可愛い娘であったと同時に、無二の友人でもあったと云えよう。彼女は今度一人ぼっちになって見て、始めて自分が、友達らしい友達を持っていないこと、―――形式的な交際以外には奥様同士の附合いと云うものを余りしていないこと、―――に心づいて、不思議に感じたのであるが、考えて見れば、それは二人の妹がいたためにその必要がなかったからであった。そうして今や、ローゼマリーを失った悦子と同じように、頓に彼女も寂寥を覚え出したのであった。

妻のしょんぼりしている様子を疾うから看て取っていた貞之助は、十月の末に新聞の演芸欄を覗きながら、