轻松读懂日语经典作品
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
02 中巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 页
三十
「英吉利嫌いのお婆ちゃん、又御機嫌が悪かったやろうな」
「『わたし、カタリナ、いつもいつも喧嘩します。カタリナ行ってしまいます、わたし悲しごぜえませんでごぜえます。わたし、ウレシごぜえます』云うてはったわ」
久しく出なかった妙子の「お婆ちゃん」の真似が出たので、今しがた聞いた本物と思い合せて皆が街上で腹を抱えた。
三十
「カタリナはこの前会うた時分より女っぷりが一段上ったのと違うか知らん。僕、さっき、こんなに綺麗かったかいな思うて、びっくりしたぐらいやで」
貞之助達は海岸通から生田前まで歩いて、今朝席を申し込んで置いた与兵の暖簾をくぐったが、幸子、貞之助、雪子、妙子の順に椅子を列べて掛けながら、まだその話をつづけていた。
「そんなこともないねんけど、お化粧の工合やわ。それに今日は特別お洒落してましてんで」
「『湯豆腐』と友達になってから、お化粧の仕方変えたよってに、顔の感じがすっくり違うて来たわ」
と、妙子があとを引き取って云った。
「―――当人はえらい自信持ってて、妙子さん、見てて下さい、わたし欧羅巴へ行ったら、きっとお金持の男見付けて結婚します、云うてたけど」