轻松读懂日语经典作品
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
02 中巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 页
「あんた、シュトルツさんの奥さんかて散らし鮨を食べはったやおませんか」
「そやけど、あの散らしには魚の生身が這入ってえへなんだよってに、………」
「生身かてよう食べます。………尤も、食べるもんと食べんもんとありますな。鮪はあんまり食べしまへんな」
「へえ、何でやろ」
と、株屋の旦那が口を挟んだ。
「何でか知りませんけど、鮪、鰹、ああ云うものは食べしまへん」
「ほら、姐さん、あのルッツさん、―――」
と、若い芸者が神戸言葉を丸出しにして、小声で老妓に話しかけた。
「―――あの人、白身のお作りばっかり食べとって、赤身はちょっとも食べとってやないわ」
「ふん、ふん」
と、老妓は爪楊枝を手で囲って使いながら、芸者の方へ頷いて置いて、
「西洋のお方は、赤身のお魚は気味悪う思やはるのんでっしゃろ、あんまりお上りになれしませんな」
「成る程な」
株屋の旦那がそう云った後から、貞之助も云った。
「西洋人になって見ると、真っ白な御飯の上に正体の分らん真っ赤な生の魚の肉が載ってるのんは、確かに気味が悪いやろうな」
「なあこいさん、―――」
と幸子は、夫と雪子の向うにいる妙子を覗き込みながら、
「キリレンコのお婆ちゃんに此処のお鮨食べさせたら、どんなこと云うやろか」