轻松读懂日语经典作品
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
01 上巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页
屋へ帰って行くと云う話で、時間の点なども辻褄が合っていた。部屋はこの間まで六畳の日本間だったのが、最近広い方へ変ったと云うので、行ってみると、洋間に一段高くなった四畳半の日本間の附いた部屋で、参考書、雑誌、ミシン台、裂地その他の諸材料、末完成の作品等々で一杯になってい、壁に数々の写真がピンで留めてあるなど、芸術家の工房らしく雑然としてはいるけれども、さすがに若い女の仕事場らしい色彩の花やかさも感じられ、掃除もよく行き届いていて、きちんと整理してあり、灰皿の底にも吸殻一つ溜っていないと云う風で、その辺の抽出、状挿などを調べてみても、何等訝しく思われる節もなかった。
幸子は実は、何か証拠のようなものを発見するのではあるまいかと思って、それが恐さに出かけて来る時は気が進まなかったのが、これなら来てみてよかったと心からほっとして、反動的に前よりもなお妙子を信じてしまったが、そのまま一二箇月過ぎて、もうそのことが忘れられた時分、或る日妙子が夙川へ行っている留守に、奥畑がひょっこり訪ねて来て、「奥様にお目に懸りたい」と云い入れた。船場時代にはお互の家が近い所にあった関係から、幸子も満更知らない顔ではなかったので、兎に角面会してみると、突然で失礼だとは思ったけれども折入って御諒解を願いたいことがありましてと云う前置きの