轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

01 上巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页

青空文庫

………ふん、ふん、………大阪九時頃やわ。………こいちゃん行く?………そんならお春どん行かんかてええなあ?………」

妙子には、大阪駅まで雪子を迎えに行ってやれと云う幸子の言葉の意味が、よく分っている筈であった。去年、富永の叔母が雪子を連れ戻しに来た時の話では、二三箇月後には妙子も東京へ呼び寄せると云うことであったのに、上京以来本家が引き続きごたごたして、なかなかそれどころではないので、ついあれなりになっており、お蔭で妙子は前より一層自由気儘な境遇に置かれているのであったが、それだけに、雪子に貧乏鬮を抽かせて自分ひとり巧いことをしているような、済まない気がしていたので、義理にも出迎えぐらいしなければならぬ訳であった。

「お父さんにもかけとこか」

「お父さんはええやないか、もう帰って来やはるわ」

夕方帰宅した貞之助も、あれから半年過ぎた今日となっては、ひどく雪子をなつかしいものに感じ、一時にもせよ、彼女に戻って貰いたくないと思ったりしたことで、自分を責める気持にさえなっていた。そして、着いたら直ぐに風呂へ這入れるようにしておけとか、夕飯は汽車の食堂で済まして来るだろうかとか、きっと寝しなにもう一度何か食べるだろうとか、細かいことに気を遣って、彼女の好物の白葡萄酒を二三本も出して来させて、手ずから罎の埃を払い、年数を調べ